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愛犬の長生きは、飼い主様にとって共通の願いですね。長生きするだけでなく、できるだけ健康を保ち、最期まで楽しく生活して欲しいと考える飼い主様が多いでしょう。今回は、犬の寿命について解説し、長生きさせるための秘訣をお伝えします。長生きさせるために飼い主様がしてはいけないNG行動や、早めに気づいてあげたい犬の老化サインについても詳しくご紹介します。
犬の寿命について
ひと昔まえ、犬は10歳まで生きれば長生きだと言われていた時代があります。現代の犬の寿命は延びており、では平均寿命は14.65歳でした。
このようなデータからも、一般的な寿命は12~15歳程度だと言えますが、18歳以上の犬に出会うこともあります。10歳の犬の年齢を人間の年齢に換算すると、小型犬では50代の後半くらい、大型犬で60前半くらいです。15歳の犬を人間の年齢に換算してみると、小型犬では70代後半くらい、大型犬では90代の前半くらいです。 犬を人間に置き換えると、昔は50~60代で寿命を迎えていたのに、現代では80代くらいまで寿命が延びていると考えることもできるでしょう。このように寿命が延びた背景としては
- 良質な犬用フードの開発
- 室内飼いの犬が増えて事故や感染症が減った
- 獣医領域の技術が向上した
などが言われています。寿命が延びたことで、犬のシニア期も長くなりました。シニアと言われるのは、寿命の半分くらいの年齢からなので、犬は一般的に7~8歳でシニア期に入ります。
犬を長生きさせる秘訣4選
犬の寿命は犬種や個体差によっても異なりますが、できるだけ長生きさせたいのは飼い主様共通の願いでしょう。犬を長生きさせるポイントは「食」「運動」「環境」「歯」にあります。それぞれ詳しく解説していきます。
適切な食事を用意する
日々の食事は愛犬の体を支える最も大切なものです。できるだけ添加物は避け、良質なタンパク質や脂質を与えましょう。一番手軽に必要な栄養を与えることができるのが市販のドッグフードです。ドッグフードには色々な種類がありますが、必ず「総合栄養食」の表示があるものを選びましょう。「総合栄養食」は水とフードのみで必要な栄養が摂取できるように設計されているフードです。
年齢に合ったフード選びも大切です。フードの量は袋などに記載されているものを守りましょう。手作りのフードを与えたい飼い主様も多いと思いますが、犬に必要な栄養は人間とは異なるため専門知識がないと難しいと言えます。人間用の食材には犬に中毒をおこすものも多く、日々の積み重ねで栄養が大きく偏る可能性もあるので注意が必要です。
適度に運動をさせる
運動は健康な体を維持するために必須です。特に犬にとって肥満は大敵です。アメリカ獣医師会は、肥満の犬の寿命は適正体重の犬の寿命より平均で2.5年も短いと報告しています。
適正な食事と合わせて適度に運動し肥満を防止することが長生きのひとつの秘訣だと言えるでしょう。運動は体だけでなく、犬のストレス発散にもつながります。一番手軽な運動は日々の散歩です。肥満やストレス解消になる散歩時間の目安は犬種ごとに異なり、小型犬は1日1回・30分程度、中型犬は1日1〜2回・1時間程度、大型犬は1日2回・2時間程度の散歩を推奨しています。小型犬でも、ダックスフントやテリア種のように狩猟などを目的に改良された種では1日1時間の散歩が必要とされているように、犬種ごとに必要な運動量は異なります。
体と環境の清潔を維持する
歯磨き、シャンプー、ブラッシング、爪切りなど犬の体のケアも大切です。歯磨きやブラッシングは飼い主様とのコミュニケーションも兼ねて毎日行いましょう。ケアの時間に愛犬の体を全体的に触ったり見たりして、健康状態を確認します。ブラッシングの時は毛だけでなく下の皮膚もしっかりチェックしましょう。
生活環境を清潔に保つことも大切です。毛布やタオル、食器、飲み水、ケージそのものは定期的に洗濯や掃除をしましょう。特に水の容器は洗わなくても汚れていないように見えますが、見えないだけで細菌などが繁殖しています。1日洗わないだけでもぬめりが出てしまい不衛生なので、しっかりスポンジで洗いましょう。
歯を健康的に保つ
歯の健康も重要です。犬の歯は人間よりも多く、42本です。子犬の乳歯は28本で、生後4~6カ月ごろに永久歯へ生え変わります。生え変わると歯が増えて42本となるのです。犬種によってはもともと42本より少ないこともありますが、高齢犬では歯周病で歯が抜けて歯の本数が減ることも多いです。
歯周病で歯が減るとフードを食べづらかったり口内に痛みを感じて食欲低下などの健康被害がおこります。歯周病の原因は歯垢と歯石です。犬は他の動物と比較しても特に歯垢と歯石ができやすく、歯磨きしても24時間以内には再び歯垢の付着がはじまります。歯垢を放置するとたった3日~5日程度で歯石になり、歯石は歯磨きでは取れなくなります。歯石のもととなる歯垢を付着させず歯を健康に保つことが長生きの要因のひとつです。
長生きさせるためにやってはいけないNG行動!3選
ここでは犬の長生きのためにやってはいけないことを3点ご紹介します。
ストレスを与える
ストレスは色々な病気の原因となり、寿命を縮める大きな要因です。生活の中には多くの刺激があるため、完全にストレスをゼロにすることは難しいでしょう。一方、飼い主様の注意で減らせるストレスもあります。犬が飼い主様の希望に沿わないからといって、体罰などはもってのほかです。大声で怒鳴って叱るのもやめましょう。長時間の留守番などもできるだけ避けましょう。飼い主様が常に穏やかに接することで愛犬のストレスは減らせます。
糖分・塩分が多く含まれる食べ物を与える
人間の食べものは全て犬にとっては糖分・塩分が過剰です。与えると病気になる可能性があるので、人間の食べ物は与えないようにしましょう。人間の食べ物の中には、少量でも犬に中毒を引き起こして最悪の場合命に関わるものもあります。
- タマネギ、ネギ、ニラ、ニンニクなどのネギ類
- チョコレート
- キシリトール入りのガムや歯磨き粉
- 鳥の骨
- ブドウ、干しブドウ
- アボカド
- マカデミアナッツなどのナッツ類
は絶対に与えてはいけません。その他、コーヒーや紅茶、緑茶、香辛料、生肉、生卵、にぼし、海苔など危険性のある食べ物も多いため、前提として人間の食べものはすべて犬にとって危険であると覚えておきましょう。
近くでたばこを吸う
たばこはそのものや吸い殻を犬が食べてしまうとニコチン中毒をおこし、死亡することもあります。たばこそのものを食べなくても「受動喫煙」や「三次喫煙」による健康被害も大きいです。
受動喫煙とは、他人が吐き出した煙や、副流煙(タバコから直接空気中に出る煙)を吸わされてしまうことです。三次喫煙とは、タバコの副流煙が家の中の家具や衣服、壁、絨毯などに付着し、その残留物を体内に取り込んでしまうことです。過去5つの論文をまとめた獣医師の記事によると、喫煙者と一緒に暮らしている犬は肺癌に罹患する可能性が高いとのことです。
なかでも、コリー、シェパートなどの長頭種では、鼻道の癌のリスクが2.5倍増加するとのことです。パグやボストン・テリア等の短頭種の犬では、肺癌が2倍発症するとも言われています。
さらに、タバコによって血液のがんであるリンパ腫になるリスクも高くなることがわかっています。その他喘息や気管支炎などの呼吸器疾患、心臓循環器系、 皮膚系やアレルギー反応の発生頻度の増加、眼の炎症等、たばこは犬に様々な健康被害を与えるため、喫煙は愛犬の入れない部屋や屋外限定にしましょう。
犬の老化のサイン
愛犬がシニア期に入ったら、若い時より一層注意深いケアと観察が必要です。愛犬の老化のサインを見つけて早めに対策を取ることが長生きのためには大切です。ここでは飼い主様が日頃の観察で見つけられる犬の老化サインをご紹介します。
散歩に行くとすぐに疲れた様子で息があがる
シニア期に入ると、徐々に筋肉量が低下します。関節などに痛みが出ることもあり、若い時と同じように散歩ができなくなることがあります。散歩に出ても若い時のように長時間歩けなくなり、すぐに座りこんだり、帰りたい素振りを見せるかもしれません。シニア期の犬の心臓は若い時より弱っているため、すぐに息があがることもあります。走ったあとに咳をする場合も心臓にトラブルがある可能性があります。
だんだんと散歩自体に行きたがらなくなることもありますが、全く外に出ないことは犬にとってあまり良いとは言えません。外の空気を吸って気持ちをリフレッシュするのは犬も人間も同じなので、無理ない範囲で散歩を続けましょう。足腰の痛みなどで歩きづらい場合は、愛犬が自分で歩くことにこだわらず、犬用カートなどを利用して外出するのも良いでしょう。
見た目が変わってきた
鼻や目の周囲など、顔や頭に白い毛が増えてきたり、全体的に毛艶が悪くなったり、鼻の色が薄くなってきたことに気づいたらそれも老化のサインです。体重は変わらないのに体全体がたるんでいるように見えたり、痩せて見えるようになることもあります。
目が白くなることもあります。愛犬の目が白くなると白内障が心配になりますが「核硬化症」の可能性もあります。核硬化症は白内障とは異なり、視力に問題は出ないため、慌てずに健康診断のタイミングなどで動物病院に相談しましょう。 目ヤニが増えることもありますが、あまりに多い場合は単なる老化ではなく、何らかの病気の可能性もあります。口臭が強くなった場合も、歯周病や内科的な疾患が疑われるため要注意です。
昼間、寝ている時間が増えた
犬の老化のサインとして、昼間寝ている時間が増えることも挙げられます。若い時はいつまでも遊びをせがんでいたのに、気づくとすぐにベッドに戻って寝ていることがあります。老化と共に好奇心も薄れます。視覚や聴覚、嗅覚などの感覚器の衰えもあるため、周囲への関心が減り、若い時のように探索をしなくなるでしょう。
寝ている時間が増えるのは自然なことですが、日中に脳への刺激を受けないと、夜間にぐっすり眠れず昼夜逆転の生活になることもあります。可能な範囲で声をかけたり、愛犬の好きなおもちゃで短時間でも遊んであげるようにしましょう。